役職定年制度
こんにちは!公認会計士Fです。
最近、私の周りでは役職定年の話題になることがあります。
1990年前後に社会に出た人が周りに多いからかもしれません。
役職定年制度とは文字どおり、定年制度とは別に一定の年齢に達した場合(一般的に55歳が最も多い)に、将来の役員候補を除き、部長、課長などの役職から外れ、ライン職や専門職としてその後の処遇を行う制度で、大規模企業ほどこの役職定年制度を採用していることが多いですね。あわせて早期退職優遇制度を導入している企業も多く見られます。
役職定年制度を導入する理由は様々あるのですが、例えば、組織の新陳代謝・活性化を図る、人件費の抑制、管理職ポスト不足の解消などです。
55歳といえばまだまだ現役バリバリで働ける年齢で、役職定年制度がほんとに企業のためになるのかどうかについては議論のあるところでしょうが、終身雇用制度と年功序列制度がまだまだ残っている日本の企業では必要悪なのでしょうか。
以前、人事制度の改変に関わったことがある企業で、福利厚生は手厚く、離職率は低いのですが、採用人数をその時々の景気にあわせて行っていたため、年齢別人員構成がいびつな状態になってました。その結果、管理職ポスト不足で部下がいない担当部長や担当課長が多く、部署によってはスタッフよりも管理職が多いという事態が生じていました。
経営における適材適所の人員配置とは程遠い状況に陥っており、人件費の増加によって利益率が一向に上がらないということを招いていた典型的な事案でした。
今後、日本は労働人口減少と高齢化が進むことが見込まれており、ひとを活用するための役職定年制度を含めた人事制度、体系を見直していかなければ、日本企業の競争力の低下は避けられないのではないかと思います。
本来であれば、労働者の流動性が活発化し、個々人がもっているスキル、能力が生かせる場で働くことができる環境になればいいのですが、労働環境を変えるには長い時間がかかるでしょうし、労働者の意識も変えなければ、うまくはいかないのでしょうね。