フェアディスクロージャールール
こんにちわ!白金の公認会計士Fです。
先月金融審議会でフェア・ディスクロージャー・ルール(FDR)に関するタスクフォースが設置されました。
FDRとは、投資家の投資判断に重要な影響を与える未公表の内部情報(業績予想の修正や増資などの情報)を、上場会社が第三者に対して選択的に開示することを禁止するルールのことです。
ようは重要な内部情報を一部(例えば機関投資家やアナリストなど)のものに対してのみ、開示することを禁止しようというルールです。
金融審議会のディスクロージャーワーキンググループが、今年の4月に、企業と株主投資家との建設的な対話を促進するための一案として、このFDRの導入を提言しています。
これは公正・公平な情報開示に対する市場の信頼を確保するために、欧米ではすでに取り入れられているルールですが、日本はようやく検討が始まった段階で遅きに失した感が否めませんね。
FDR導入検討の背景には、証券会社が入手した未公表の業績情報をもとに株式売買の勧誘を行った事件や報道機関が未公表の業績情報に近い観測記事を掲載していることなどがあり、投資者間の情報格差を是正しようという意図があるものです。
FDR導入に対しては否定的な意見もあるようですが、提言の中では、「我が国において、その導入を必要とするような問題が顕著な形では発生していないとの意見もあった」と堂々と記載してあることには驚きです。
日本は昔から規制が甘くインサイダー天国と言われており、水面下でインサイダー取引が横行していることは周知の事実なのでは。
今年最大のインサイダー疑惑になるであろうアキュセラ社の株価大暴落後の翌早朝の不自然なネガティブIR。
その後の調査の結果が何ら公表されないので顛末はわかりませんが。
アキュセラ社の暴落ほどではないですが、不自然な株価の動きは日常的にあり、インサイダー取引による逮捕者や課徴金命令も絶えないですしね。
公正な価格形成と投資者の保護のためには、インサイダーに対する規制強化と監視強化はもっと行うべきだと思いますし、情報強者である機関投資家やアナリスト、報道機関などが議論の中心になっていますが、安易に情報をリークしたり、リークする意図がなくても漏らしてしまう企業のIR担当者やCFOに対する規制も強化すべきではないでしょうか。