ゴルフ場利用税って
こんにちわ!白金の公認会計士Fです。
平成29年度税制改正の議論が進んでいますが、見直しの対象となっていたゴルフ場利用税、今回も見送りとなりそうだとのこと。
このゴルフ場利用税、ゴルフをやらない方にとっては、そんな税金あるの?という程度でしょうが、我々ゴルファー及び関係者にとってはなじみの深い税金です。
といってもゴルフ場の請求明細にゴルフ場利用税と堂々と記載しているところはまちまちで、合計欄などの片隅に申し訳程度に”ゴルフ場利用税含む”などと記載されていることもあるので、ゴルフ場利用税が取られている実感はあまりないかもしれません。
税額は、プレーフィー、ゴルフ場のホール数、メンテナンスの良し悪し、クラブハウスなど施設の良し悪しなどなど、各都道府県が独自にゴルフ場を等級で格付けし、おおむね300円から1,200円までの範囲で決まっているようです。
等級の根拠が明確に示されていないため、あくまでも推測にすぎませんが。
そもそもゴルフ場利用税は、消費税導入以前の娯楽施設利用税の時から見直しの対象となっていました。娯楽施設利用税というのは、ゴルフに加え、麻雀、パチンコ、ボーリングでも課税されていたものですが、なぜかゴルフ場利用税だけが消費税導入時に残されました。
課税の趣旨があいまいな税金でありながら、毎度、廃止の検討がされては見送りを繰り返しており、何かしらの大きな力が働いているのでしょう。
過去最大で税収が1,000億円超もあったそうで、近年税収が下がっているとはいえ直近でも約500億円、ゴルフ場所在地の都道府県に3割、市町村に7割が交付されており、それなりの大きな財源となっている自治体もあるので、廃止できないというのが最大の理由ではないかと思います。
ゴルフ場は山や森を切り開いて作られることが多く、山や森が多いということはそれだけ過疎地域に作られているとも言え、やはりゴルフ場所在地の市町村にとって税収の確保という側面が大きいのでしょう。
事実、地方税総収入の10%以上をゴルフ場利用税が占める自治体もあるくらいで、簡単には手放せないでしょう。
ゴルフ場利用税堅持側の言い分は次のとおりです。
・ゴルファーに担税力がある
→ゴルファーすべてに担税力があると結論付けるのはあまりにも乱暴な推論
・ゴルフ場関連の様々な行政サービスを提供している
→ゴルフ場に限らず、遊園地やスキー場など娯楽施設を誘致すれば同じようなアクセス道路の整備など行政サービスは同じように必要であるにもかかわらず、ゴルフ場利用者のみ課税対象とするのは、課税の公平性から逸脱している
・そしてやはりというか、代替財源がなく廃止は困難
→代替財源がないことと課税のあり方とは別問題で課税継続の根拠とはなりえない
いずれも利用税を維持するための根拠としては乏しいと言わざるを得ませんね。
ただ、廃止派の根拠もいまいちなんですよね。オリンピックに採用されたゴルフ振興のためとか、スポーツに課税しているのはゴルフだけなど。
ゴルフ場利用税が廃止されたことを理由として、ゴルフ人口が増えるとは思えませんし、もっと理論的に攻めてほしいです。
課税の根拠に乏しい税金は廃止すべきだと思いますが、あまりにも世論の盛り上がりがないので、代替財源がなければ今後も廃止は難しいかもしれません。