なぜ日本の生産性は低いのか
こんにちわ!白金の公認会計士Fです。
経済の議論として以前から日本の生産性は低いので生産性を上げなければならないと言われていますが、なぜ日本の生産性は低いのでしょうか。
生産性を図る指標としてIMF公表の1人あたりGDPが使われたり、労働生産性という場合、OECD公表のPPP換算の1人あたりGDPが使われたりしますが、両者とも国際比較では大差なく日本は先進国の中では低い国に入ります。
IMFの2015年の統計では、GDPではアメリカ、中国に次いで3位ですが、1人あたりにすると26位に低下してしまいます。GDPは簡単にいうと人口×生産性であるため、これから訪れる人口減少に備えて生産性を上げなければと言われます。
1人あたりGDPは国民の豊かさを表す指標でもあるため、上げなければならないのはわかりますが、ではなぜ日本の生産性は低いのでしょうか。
様々な要因があるのですが、ひとつポイントとなることが国別ランキングから見えてきます。
1位ルクセンブルグ、2位スイス、3位ノルウェー、4位マカオ、5位カタールとなっています。
ルクセンブルグは金融や情報通信産業、スイスは国際機関の本部が多く置かれやはり金融が中心的産業であり、マカオはこれもカジノで有名な金融サービスや観光産業、ノルウェーは高福祉国家で男女平等が最も進んでいる国としても有名です。
カタールは石油で有名ですが、やはり金融センターとしての投資を進めているのに加えて、スポーツ観光立国を目指して、2019年世界陸上、2022年サッカーワールドカップ、2023年世界水泳と次々と世界大会を招致して、中東諸国の中でも注目の国です。
6位以下の上位国をみても同じような傾向にあり、キーワードとしては金融情報通信サービス、男女平等、高福祉サービス、観光立国があげられます。
これってまさに日本が現在進行形で推進しようとしている政策に合致しているのでは?偶然の一致でしょうか?
日本の産業の中心となってきた製造業がなかなか付加価値を上げにくい業種であること、サービス業や小売業の生産性が非常に低い現状からすると、産業構造自体を変えて、高付加価値製品の製造やサービスにシフトし、上位国に見られるような政策を推進していかないと日本の生産性は一向に高まらず、国民も豊かにはならないのではないでしょうか。
変化に対して消極的な国民のコンセンサスを得ることは並大抵なことではないと思いますが、まったなしの状況にあることは間違いないでしょう。