ふるさと納税の返礼品が変わるかもしれない
こんにちわ!白金の公認会計士Fです。
2008年度から始まったふるさと納税、年々過熱化し、初年度は約80億円の寄付だったものが、2015年度は約1,600億円、2016年度はまだ公表されていませんが、3,000億円に達するのではないかといわれており、年々急拡大しています。
ふるさと納税の目的は、税収不足に悩む地方自治体に寄付という形で応援し、地方を活性化させるのが目的ですが、ここのところのふるさと納税の過熱ぶりが高額な返礼品への批判となってきています。
そんな中、総務省は2017年4月1日付でふるさと納税の返礼品を寄付額の30%までに抑えるように地方自治体に通知しました。
寄付を集めるために高額な返礼品を設けている自治体があり、それが社会問題を引き起こしており、具体的には返礼品をネットで転売する利用者が増え、商品券などの金券や電子マネーなど換金性の高いもの、電気製品や貴金属など資産性のある高価なものが問題視され、廃止するよう要請しています。
通知なので強制力はありませんが、今後高額な返礼品を提供を続けている自治体には指導が入るのかもしれません。
総務省の調査によれば、全国平均では寄付額の約40%の返礼品を提供しているそうですが、返礼品の量やグレードダウンなどの措置が取られるか見守りたいと思います。
この総務省の通知は非常に難しい問題をはらんでいます。
ふるさと納税の地方を応援しようという趣旨からすると、高額な返礼品目当ての寄付行為が行われるのは望ましくないという考えは正論ですが、一方でふるさと納税が地方自治体の大きな財源となっている事実があるわけで、ふるさと納税導入による効果であることは疑う余地もありません。
しかも、地方の地場産業でなかなか販路の開拓が難しい中で、全国の方に広く知ってもらう機会を持てたことは経営者にとって大きなチャンスであったことは想像できます。
そのような地場産業には様々な商品があり、高額な商品もあるでしょう。
商品券などの金銭類似性があり換金性の高いものが規制の対象になるのはやむを得ないとは思いますが、単に高額であるからとか、資産性があるからということで、一律に廃止を求めるのはいかがなものでしょうか。
政府側には転売=悪という考え方があるからだと思います。返礼品を転売する行為は道義的に許されるかといえば、個人的にはそのような行為がなくなればいいとは思いますが、転売=悪とは思いません。転売行為によって、商品のブランド価値が毀損するとの考えもあるようですが、転売は需要と供給があるから成り立つわけで、転売行為を否定できるものではないと思います。
今回の通知のような規制が広がれば、地方の活性化という点においてはブレーキになる可能性があり、ぜひ地方の声も聴いてどのような規制が一番いいのかもう少し議論してもいいのではないでしょうか。
蛇足ですが、人気の自治体は年々打ち切りが早くなっており、規制にも関わらず今年もふるさと納税の活況は続くのでしょか。