東芝に続き富士ゼロックスでも不適切会計
こんにちわ!白金の公認会計士Fです。
東芝の不適切会計問題はまだ解決していませんが、また日本を代表する企業グループで不正が行われました。富士ゼロックスです。
4月20日には第三者委員会による調査開始と決算発表の延期を発表していましたが、本日2017年3月期の決算発表と不適切会計の調査報告の公表が行われました。
富士ゼロックスといえば複合機などで知られている企業ですが、今回はニュージーランドとオーストラリアの海外子会社で行われた売上の過大計上が問題とされています。
詳細な調査報告書が公表されているので、見てもらえばと思いますが、要約すると、複合機などの機器販売時に一括売上計上していたものについて、売上計上基準を満たしておらず、オペレーティングリース処理すべきであったというものです。
調査報告書によれば、2015年7月には売上過大計上などを告発するメールが富士ゼロックスの副社長他に送られ、調査も行ったようですが、富士ゼロックスの一部役員が親会社及び関係者に問題がないように装ったというのが、今年になるまで公にはされなかった原因のようです。
富士ゼロックスは富士フィルムグループの中核会社で、富士ゼロックスグループの連結売上高に占める売上高の割合は約47%にも上り、グループの中でも独立意識が高く、グループ内でのガバナンスが機能しなかったという要因も大きいのでしょう。
最初の告発メールから約2年もの間に、富士ゼロックスニュージーランドのCFOの交代での不適切会計の発見やニュージーランドメディアの報道など、何度もチャンスがあったにもかかわらず、ここまで公表に至らなかったのは、過去に他社で起こった不適切会計への対応と同じことの繰り返しのように思えます。
東芝の場合は交代した監査法人との関係も話題となっていますが、富士フィルムHDの場合も監査法人が新日本からあずさに交代したばかりで、この件が公になったとき、違う視点からの監査で発見されたのではないかとも思いましたが、そうではなかったようです。
調査報告書では、監査法人の監査の実施結果の評価についても触れていますが、監査の実施結果についての適正性や妥当性についてはお茶を濁しています。
海外子会社でのことなので、新日本及びあずさの海外メンバーファームに監査又はレビュー手続きを依頼していると思われますが、どのような手続きを実施していたのでしょうか。そんなに複雑な粉飾でもないのですが。